「採血も採尿もしているけれど、腎臓はどの項目を見ればいいの?」。検査結果の用紙には略語や数字が並び、血糖以外の欄まで目を通すのは大変ですよね。
腎臓の状態を知る手がかりは、尿へのたんぱく質の漏れと、血液をろ過する働きです。代表的な項目が「尿アルブミン」と「eGFR」。役割の違いを知っておくと、結果用紙を見ながら質問しやすくなります。
この記事でわかること
- 尿アルブミンとeGFRが、それぞれ何を調べるものか
- 尿蛋白が陰性でも、検査内容を確認したい理由
- 次の診察で聞きたいことと、結果用紙の残し方
成人の1型糖尿病のある方とご家族に向けた一般情報です。検査の時期や結果の判断、治療は主治医に確認してください。情報確認日:2026年11月7日。

血糖の結果を聞くだけで、ほかの項目まで聞きそびれそう。まず、どの欄が腎臓の検査なのか知りたいな。
腎臓は、症状がなくても検査で確かめる
腎臓の変化は、自分で感じる症状だけでは分からないことがあります。尿検査と血液検査を組み合わせて、定期的に状態を確認します。
糖尿病情報センターの「腎症」では、早期には無症状のことが多く、症状の有無にかかわらず検査を行うと説明されています。体調がよいときも、予定された検査を続ける意味があるのですね。
腎臓は、血液から不要なものを取り除き、体に必要なものを残す働きを担っています。尿へ何が出ているかと、どのくらいろ過できているかは別の視点なので、一方の結果だけで全体を判断しないことが大切です。
尿アルブミンとeGFRは、見る役割が違う
尿アルブミンは、たんぱく質の一種であるアルブミンが尿へどれくらい漏れているかを調べる項目です。eGFRは「推算糸球体ろ過量」の略で、腎臓が血液をろ過する力の目安を表します。
| 項目 | 主に調べるもの | 結果用紙での確認点 |
|---|---|---|
| 尿アルブミン | 尿へ漏れ出るアルブミンの量 | 測定の有無、値と単位 |
| eGFR | 腎臓のろ過する働きの推定値 | 今回の値と、以前からの変化 |

eGFRは通常、血液中のクレアチニンという成分などから計算します。尿アルブミンは、尿の濃さの影響を考慮した「尿アルブミン/クレアチニン比」として示されることもあります。略語や単位が違って見えたら、同じ項目かどうかを医療スタッフに尋ねましょう。
米国国立糖尿病・消化器病・腎疾病研究所(NIDDK)の検査解説も、尿アルブミンとeGFRを腎臓の評価に用いる重要な指標としています。数値の意味を確かめるときは、結果用紙をそのまま見せると伝わりやすくなります。
「尿蛋白が陰性」と「尿アルブミンを調べた」は別
採尿をしていても、毎回すべての項目を測っているとは限りません。「尿蛋白(−)」という表示だけでは、尿アルブミンを測定したかどうかまでは分からないのです。
東京都の腎臓の定期検査の案内では、尿試験紙で尿蛋白が陰性でも、わずかなアルブミンの漏れがある場合を説明しています。糖尿病で通院中の方には、尿中アルブミンや腎機能の評価について、かかりつけ医へ相談するよう勧めています。
結果用紙に見当たらなければ、「尿アルブミンは最近調べていますか?」と聞いてみましょう。項目がないからといって、自分で検査不足や病気だと決める必要はありません。別の日に測定している場合も含め、これまでの検査内容を確認するための質問です。

検査名を全部覚えるのは難しいよね。結果用紙を見せて「尿と血液で、腎臓のどこを確認していますか?」と聞けるようにしておこう。
検査の間隔と結果は、主治医と一緒に確認する
自分の次回検査がいつかを、診察で確認しておくと予定を立てやすくなります。NIDDKの一般向け解説では、1型糖尿病を発症して5年を超える方に、年1回の腎臓の検査を案内しています。
これは海外の一般的な案内です。発症から5年までは調べなくてよいという意味ではありません。年齢、これまでの結果や体の状態によって検査計画は変わるため、自分の通院先での指示を優先してください。
結果が気になっても、インターネットの表に一つの数字を当てはめて、病期や治療を自分で決めないようにしましょう。前回からの変化、ほかの検査、再検査の必要性も含めて説明を受けることが大切です。インスリンや薬の量、食事の制限も自己判断で変えず、主治医や管理栄養士に相談してください。
次の診察には、結果用紙と短い質問を持っていく
最初の質問は「私の腎臓の検査結果を教えてください」で十分です。聞くことを絞りたいときは、次のメモを使ってみてください。
- 尿アルブミンは調べていますか。結果はどうでしたか。
- eGFRは以前と比べて変化していますか。
- 次の検査はいつですか。生活で気をつける点はありますか。

結果用紙には検査日を残し、過去のものと一緒にしておくと見返しやすくなります。家族が手伝う場合も、まず本人が知りたいことを聞き、希望に合わせて質問を書き留めたり、説明を一緒に聞いたりする形がよさそうです。
ほかの困りごとも相談したいときは、1型糖尿病の受診メモの書き方も参考にしてください。全部を埋めようとせず、一番気になることからで大丈夫です。

次の検査がいつか分かると、予定も立てやすいね。聞きたいことを一つ書いて、結果用紙と一緒に持っていこう。
よくある疑問
毎回採血していれば、尿の検査は不要ですか?
血液と尿では、確認する項目が違います。採血をしていることだけで尿の検査が不要とは判断せず、必要な検査と間隔を主治医に確認しましょう。
結果用紙にeGFRが見当たらないときは?
医療スタッフに、腎臓の働きをどの項目で評価しているか尋ねてください。用紙の表示だけでは、実施された検査や評価の全体までは分かりません。
まとめ|まずは検査名と次の予定を確認しよう
尿アルブミンは尿への漏れ、eGFRはろ過する働きを知る手がかりです。どちらか一つだけで結論を出さず、結果の変化も含めて主治医と確認していきましょう。
今日できるのは、手元の検査結果を一か所にまとめること。「最近の尿アルブミンの結果と、次の検査予定を知りたい」とメモしておけば、次の診察で話を始めやすくなります。

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