職場に1型糖尿病のことを伝えたい。でも、どこまで話せばよいのか、迷いますよね。
最初に整理したいのは、仕事中に必要な配慮と、困ったときに頼れる相手です。病気の経過をすべて説明しようとせず、「食事の時間」「治療のための場所」「体調が変わったときの連絡」など、仕事の場面に置き換えると相談しやすくなります。
この記事でわかること
- 誰に、どこまで伝えるかを考える順番
- 休憩・通院など、相談前にメモしたい内容
- 低血糖に備えて周囲と共有しておきたいこと
2026年10月26日に確認した公的な医療情報をもとにした一般的な案内です。必要な配慮や治療は人によって違います。主治医や職場の産業医などと、自分の仕事内容に合う方法を相談してください。

病名を伝えるだけだと、何をお願いしたいのかまで伝わるか気になるね。
最初の相談相手と、伝える範囲を考えよう
いきなり職場全体へ説明する前に、相談しやすい相手を考えてみましょう。産業医・産業保健師がいる職場なら、仕事と治療の両立について相談できます。いない場合は、主治医や看護師に、職場へどう説明するか相談する方法もあります。
糖尿病情報センター「働く世代と糖尿病」でも、産業保健スタッフへの相談や、職場に支援者を見つけることが紹介されています。
上司には勤務や休憩の調整、近くの同僚には体調不良時の声かけなど、相手の役割によって必要な内容は変わります。「誰に、どの内容を共有してよいか」も、最初の面談で確認しておくと安心です。
採用時に伝えるかどうかは、病状や業務内容によって検討が必要です。運転、高所作業、一人で行う危険を伴う仕事などは、自分だけで安全性を判断せず、主治医や産業医に具体的な作業を伝えて相談しましょう。

病名に加えて「必要な時間・場所・連絡」を伝える
「配慮をお願いします」だけでは、相手も何を調整すればよいか迷うかもしれません。自分が困りそうな場面と、お願いしたいことを組み合わせてメモしてみてください。
| 相談する場面 | メモにする内容の例 |
|---|---|
| 食事・休憩 | 昼食が遅れやすい日、体調に応じて休憩したいときの伝え方 |
| 日中の治療 | 血糖測定やインスリン注射に必要な時間、落ち着いて行える場所 |
| 通院 | 受診の予定、勤務調整を申し出る相手と手順 |
| 体調不良 | 仕事を中断するときの連絡先、引き継ぎの方法 |
これは相談項目の例です。すべての配慮が必要とは限りません。実際の治療方法や働き方に合わせて、必要なものを選びます。
糖尿病情報センター「1型糖尿病と付き合っていく」では、治療を続けながら仕事をすることや、身近な人に低血糖への対応を知ってもらうことが説明されています。仕事に合わせてインスリンを自己判断で減らしたり中断したりせず、治療を続けられる環境を相談しましょう。

「昼休みがずれやすい」「席を離れるときの連絡先を決めたい」までメモにすると、一緒に考えてもらいやすそうだね。
面談で使う言葉の例
たとえば、次のように切り出せます。これは実際の体験談ではなく、必要に応じて書き換えるための例文です。
「1型糖尿病の治療を続けています。仕事中の食事や治療の時間について相談したいです。体調に応じて作業を中断する場合の連絡方法と、この情報を共有する範囲も確認できますか」
先に短い面談をお願いし、話したい項目を手元に置くと、言い忘れを減らせます。その場で決まらないことは、誰が確認するか、いつ話し直すかをメモに残しておきましょう。
低血糖の備えは、本人が話せないときまで考える
低血糖は、血糖値が下がり、冷や汗やふるえ、判断しにくさなどが出ることのある状態です。症状の出方には個人差があり、自分では気づきにくい場合もあります。
周囲に共有する対応は、あらかじめ主治医や医療スタッフと確認しておきましょう。とくに、次の内容を一緒に確認しておくと、いざというときの連絡につながります。
- 自分に出やすい症状と、気づいたときの声かけ
- 自分で対処できるときに必要なものと、その置き場所
- 意識がはっきりしないときの救急要請と緊急連絡先
意識がはっきりしない、飲み込めない場合は、無理に飲食させず119番へ。家族への連絡を待って救急要請を遅らせないことも共有しておきたい点です。本人が対応できない状態を、休ませるだけで様子見しないでください。
具体的な備えは、糖尿病情報センター「低血糖」も参考に、医療スタッフから説明を受けておきましょう。同僚に薬の量の判断を頼むのではなく、事前に決めた対応と連絡を共有します。


自分で説明できないときのことも、元気なうちに相談しておきたいね。連絡先がすぐ分かると、周りの人も動きやすそう。
主治医には、実際の仕事の流れを持っていこう
診察では「仕事が忙しい」に加え、勤務時間、食事が遅れる場面、身体を動かす作業、一人になる時間を伝えると、相談が具体的になります。
たとえば「午前の接客が延びると昼食の時間が読めない」のように、生活の場面を書いて持参します。体調が変わった日時と、その日の作業を一緒に記録しておくのも一案です。記録のまとめ方は、1型糖尿病の受診メモと家族の支え方も参考にしてください。
厚生労働省「治療と仕事の両立について」には、勤務先と医療機関が情報をやりとりするための様式例があります。書類が必要か、どのように利用するかは、職場の担当者や医療機関に確認しましょう。
よくある疑問
職場のみんなに詳しく話す必要がありますか?
伝える範囲は一律には決められません。まずは仕事内容と必要な配慮を整理し、産業医や主治医などに相談しましょう。安全のために知っておいてほしいことと、自分が共有したい範囲を、面談で確認するのがおすすめです。
異動やシフト変更のときも相談したほうがよいですか?
食事の時間や作業内容が変わるなら、あらためて確認しましょう。以前の部署で決めた方法が、そのまま使えるとは限りません。新しい連絡先や休憩場所も確かめておくと安心です。
まずは、困りそうな場面を一つメモしよう
職場への説明を、最初から完璧にまとめなくても大丈夫です。「どんな場面で困るか」「何を相談したいか」「誰に伝えるか」を一つずつ書き出してみましょう。
家族は、本人が伝えたい範囲を大切にしながら、メモの整理や話す練習を手伝えます。治療と仕事を無理なく続けられるように、主治医と職場の両方へ、具体的な生活の様子を伝えていきましょう。

コメント